くるえらねたばれちゅうい

母親を殺して。母親が死んで。これからの生活が死んで。3重の意味で心が死んで。デザイナーの夢絶たれた目処がついた。普通の人だったらここで死んでる。
けど泥棒になってもクルエラは夢を持ち続けた。デザイナーの学校に行ってない、1番遠回りしそうな泥棒と言う職業に就きながらも、ミシンで服を縫ってデザインする事を辞めなかった。お金がなくても、人生や生活の全てに、情熱を費やした。そうする事で思っても見ないチャンスがやってきた。ここで働いてみたい・・・彼女の夢を唯一知っていた仲間が誕生日プレゼントに権威と歴史がある有名な憧れの職場で働けるチャンスをくれた。今振り返るとなんて素敵なプレゼントだろう!クルエラが一番欲しかったのは夢を叶える事が出来るかも知れない現実だ。雇われたのは販売員でも裁縫係でもなくファッションに関係のないただの清掃員だったけど、彼女は行き続けた。夢が叶う一世一代の大勝負。細く1本の糸のようでも、どこかにチャンスがあると信じていたから。そして私にならたった1回物に出来る、場を掴める。そのチャンスを掴めると信じたから。夢に貪欲。その店で1番偉い人にどんなに軽く遇われても、毎回チャンスを頂けませんか?私はこれができます、やりたいんです!と言い続けた。デザイナーになる夢が100%不可能に見えなかった。彼女にいつまでも情熱があったからだ。ここでだめでも、別でなるだろうと言ったような安心感はあった。一見してみると、泥棒からデザイナーなんて無理だと思うけど、それは決め付けで、彼女を知らないからだ。全く相手にされない現実、ゴミ箱に投げたゴミが上手く投げられなくて、頭から落ちてきて、私達がそんな絶望に勝手に絶望しても、彼女は毅然と希望に満ち溢れている。ランチを頬張る。これが若いと言う事か。若さと愛情で無敵に見える。まあクルエラが魅力的なのもあるけどそれは夢を追いかける姿が好きだからだ。案の定ピンチをチャンスに変えた。クルエラが酔っ払ってヤケクソになり本当にやりたかった、ディスプレイを見た有名デザイナーに才能を見て認めて貰い、引き抜かれる。