武勇伝

暑い夏のある日。ピンポーン、営業マンが来た…。当時ひきこもり3年目にさしあたり。当然、知らない人が家に来たので私は出ない。祖母が家に居るので祖母に任せる。ひきこもりをやめるのに自分を変えるのに暇な時間を潰すのに具体的に何をすればいいか分からなくてGAMEBOYに夢中かテレビっ子でテレビ漬けの毎日だったので、正確な時間は把握できないんだけど、15分~30分経過してもまだ帰らない。ボソボソと声が聞こえる。ドアを開けてひっそり話し声を聞いていると、青汁の訪問販売だった。祖母がひたすらごめんなさいね。要らないと断っているのにも関わらず、全然おばあさん相手に引く気のない感じがムンムンしたお兄さんの声が聞こえる。これは…悪質なセールスマンだ。この家に初めて来た。キュピーン私は商売のイロハがあると自覚して何故かすっごい自信があったのでスックと立ちあがったった。(ばあばここは私に任せて!)一言帰れと卒なく伝えれば済むと思った。だけど様子見で最初はやんわり断ったが効かないので帰って下さいとドストレートに言葉を投げても、日本語が通じない相手だった。帰らない。帰る気がしない。帰る気配がない。要らないと言うとじゃあセット販売はどうですか?とより高い商品を武器に見せつけてくる。何言ってるんだ?コイツ。こっちがツッコむ暇を与えない速さで次の商談を持ち掛けてる。そう、コンビ間なら相手はボケ!!あの手この手でさっき言った事を利用して勧めてくる。もう、あんまり覚えていないけど、断っても断っても商品紹介が終わらない。しつこい相手いいね久々に燃えた。先輩に扱かれたかブラック企業に入社した新人マニュアル通りの粘着さ。これは身体が弱い年寄りなら話疲れて1個でも買うわ。ノルマがあるんだろうね。でラスト懸けてこの家だああああああ!って決めて入ってきた。最後はよく分からないが1つ500円自社オリジナルの一番安いキーホルダーを勧められた。それすらも断って2時間後やっと里に帰った。俺の使った単語は要らないです。帰って下さい。すみません結構です。しか言わなかったので青汁の値段がいくらか知らなかった。1箱5000円だったと後で祖母から聞いた。子供の頃は5000円なんて果てしない程の大金だし、買おうと思ってたと祖母がそう溢してくれて、セールスを撃退出来た達成感に満ち溢れていたが、今思うと時間の無駄で、金を払えば良かったかなとも思う。けどまあ、1回買うとずっと来るでしょうから、それでいいや。後で悪い事したかなと思ったけど、ブンブンブン!人の家に上がり込んで置いて帰らないのはこれは脅迫販売みたいなもん。恐喝か。次は一言これ以上居るなら警察呼びましょうね。ニッコリしよう。

まあ今世では難しいけど、もし家を建てるなら、インターホンカメラ付きにするわ。